旅立ちの日

昨日の朝。
早朝にヒィヒィ言い出して、母が寝床を変えてやり、安心してまた寝たものの、9時ごろにまたヒィヒィ始まった。

母の出勤前のひとこま。
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吠えまくる姫を心配したサリーが話しかけた。
前日もこんな場面があったと母が話していた。

おとといの夜までは、寝ているときは落ち着いていたが、起きると呼吸が荒かった。
昨日の朝は寝ていても呼吸が早く、これは病院へと思ったものの、午前中に時間が取れない。
ご近所で以前お世話になった獣医さんに、昼からの往診をお願いした。
その時は、呼吸が早いことは、興奮のせいかと思い、鎮静の相談が主だった。

動物病院へ電話しているときは、まさに吠えまくり真っ最中だったので、先生もその治療を頭に置いて来て下さった。
検査の結果などは先に電話で報告してあったが、体温を測った段階で先生が驚いた。
41.5℃、犬でも高熱だ。
痴呆や鎮静の処置だけでは足りない。
先生の自宅はうちからさほど遠くないので、奥さんに薬を持ってきてもらって追加の処置をしたかった様子で、少しの間、考え込んでいた。
こんな日に限って奥さんもおでかけしていたので、落ち着かせるための薬を注射して、早めに抗生物質を取りに来るように言われ、先生は帰られた。

一度部屋に戻り、安心して眠り始めた様子を見て、母と姫と、寝ているサリーを置いて買い物に行った。
帰りがけに動物病院へ行き、薬をもらって帰り、家のことをしたり食事をしたりして、ぐっすり眠っている姫をなにげなく見た。


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安心して寝ているように見えて、やれやれと思ったけれど、なにかおかしい。
さっきまでスヤスヤと体が大きく上下していたのに。

動いていない。

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亡くなっているの?

口の中をめくってみる。
真っ白・・・青いくらい。

呼吸を感じない。
脈が触れない。

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こんな顔をしていたから、死んでいるとはとても思えなくて、
そのまま1時間近く、あちこち触ったり撫ぜていた。
反応は全くないけれど、体はどこも温かく、固くもなっていない。
瞳孔が開いているのか・・・白くなった瞳からはわからない。

母を呼び、見てもらったら、やはり呼吸をしているようには見えないという。
涙を流す母の様子を見て、私も我に返った。

先生が考え込んでいたのは、抗生物質の前に鎮静を打つことだったと思う。
私は駐車場から部屋まで先生を案内する時に、ここまでのいきさつと最近までの姫の状態をお話してあった。
積極的な安楽死は考えていないけれど、安静のための措置で亡くなることについては、それで良いと考えていること。
治療は不可能だと思うので、苦しみを伸ばすだけの延命は望まないということ。
先に抗生物質の注射を打っていたとしても、姫の体はもう、次の鎮静など多くの薬剤を受け入れなかっただろう。
早いか遅いかだったなら、早く苦しみから解放してあげられたことを良しと思った。

そして、本当に寝ているようにしか見えない姫の顔が、苦しみから解放された穏やかな表情に思えたので・・・私は彼女から許されたのだと思ったし思いたかった。


あなたを利用した亡き繁殖者を、あなたを救えなかった私を、許してくれてありがとう。



ありがとう。


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もう一度、犬に生まれ変わるなら、日本に生まれてこないように、犬の神様にお願いしてね。
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by naomi_nmi | 2012-06-07 13:39 | その日まで  

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