カテゴリ:その日まで( 6 )

 

みーなのこと

8月の終わりに、岡山市の保健所に小さなシェルティ風の女の子が収容されていた。
写真を見て、シェルティであるか確信が持てなかったこと。
保健所の検査でフィラリアが強陽性であったこと、同時に体調が良くないようだと保健所の担当者から直接聞いていたこと。
空輸をすれば命がどうかわからないくらいだったので、現地に預かり先のない以上、保護は出来ないと見送ることとしていた。

シェルレスブログに拡散したので、その後の確認のために保健所に電話をしたら
「地元のボランティアが責任を持って保護すると言っている」ということなので安心して、情報提供をしてくれてい方にその旨、連絡をしたところ・・・

「実はその子の保護をすることになってしまいそうだ」とのこと。

話がまったく見えず、よくよく聞いてみると、情報提供者の人と岡山市のそのボランティアさんの間で、なぜかシェルレスの依頼により引き出しをすることになったという。
・・・なんのこと? うちは出さないつもりで保健所に情報のみ問い合わせをしたのに。
早合点と確認不足と、助けたさゆえの暴走。

行き場がなくなってしまったこの子を不憫に思い、レスキューで保護することになった。
仮の名をみーな。
この時点で、どこまでこの子の体調が戻ってくるのかは、予想ができなかった。
保健所の中でできる健康診断は限られているのだ。
a0140955_19292378.jpg



収容中に体調を崩し、地元のボランティアが病院へ連れて行き、慢性腎不全であることが推定された。
検査数値が振り切れているBun140オーバー、高いクレアチニンとリン、低すぎるアルブミンとカルシウム、それに貧血。
これだけの数値なら、2週間くらいしかもたないと、普通の獣医ならそう考える数値。

私たちは、あきらめられなかった。
地元ボランティアから情報提供先の預かりさんにみーなは渡され、鳥取県の動物病院で治療を継続することになった。
預かりさんに対してはZENママとふたままが医療や預かりさんのサポートをして、万全の態勢で保護をしようということになった。

a0140955_1852962.jpg



療法食は言うに及ばず、市販フード、手作り、考え付くあらゆる食べ物を試した。
貧血と低アルブミン対策のためにサプリメントを用意し、Bun対策のためにコバルジンやネフガードを試した。
何度も静脈点滴を行い、皮下点滴も連日行った。
もちろんフィラリアのために投薬も行った。

情報提供者だった預かりさんの仕事環境が変わるとのことで、東京で預かることにした。
そのタイミングで、このブログに預かり日記を公開するつもりでいた。
とはいえ・・・慢性腎不全は、治癒の見込みはない。
預かり先は我が家。すなわち、看取りが前提ということだ。
それでも、そんな子を保護していることを、ご支援者のみなさまにお知らせする責任があると考えていた。
10月26日、パレット×ロンリーペット道満譲渡会の前々日に、みーなは米子から羽田へ飛んできた。


みーなは我が家でも、ほぼ何も食べなかった。
犬用の食事は、おやつ類でさえ拒否した。
人間のテーブルの上のものを欲しがった。
けれど、それを与えても吐いてしまう。

推定年齢は高く見積もっても7~8才、この子はいったいどういう食生活をしてきたのだろう。
適正体重5キロ程度のはずの小さな小さなシェルティ(たぶん)。
可愛い可愛いで人間の食卓から食べ物をもらい、犬のごはんは自分の食べるものと思わないで育ってきたのだろうか。
しかし、シーザーというトレイに入ったご飯は何度か食べたという。
どういう育ち方・・・考えるのも嫌になった。
味の濃い人間の食べ物をあげつづけてきたのか。
それでなくても腎臓の悪い子が多いシェルティ。
シェルティの腎臓はガラスの腎臓とさえ言われるほどなのに。

みーなの腕には、静脈点滴を行った跡があった。
腎不全になったあげくに、医療費が追い付かなくて、捨てられたのか。
むちゃくちゃな飼い方をして病気になっても、それでも最後まで手元に置いて、その子が息を引き取るまで、互いに通じ合うやり方で心を通わせているならしょうがないんだよ。
人に迷惑かけていなければ、他人がとやかく言えることではないのだから。
少なくとも今の日本では、偏った溺愛でも虐待とは認定されないし。
それを、捨てるってどういうことだよ。
ほんとうにもう、うんざりだよ・・・


a0140955_1983871.jpg




2日たち、3日たってもみーなは何も食べなかった。
もう死期も遠くないのかと思い、食べるものならこの際、食卓のものでもなんでもと思っていたが、それさえも口にしては、結局、吐き戻した。
何も食べない口の中にコバルジンを入れるわけにも行かない。
点滴以外に何もできなくなってしまった。
この間に、なにか食べるものはないかと試し続けて1週間、ちょうど1週間。
そして岡山から保護して2か月。
何も食べないのにトコトコテケテケ歩き回っている、不思議な子だった。

昨夜の点滴は300ccを入れた。
点滴を上から落とすくらいでは入らなくなっていたので、シリンジポンプで50ccを6回。
それでも途中から入りが悪くなって、一度、吸収されるのを待って入れた。
300ccを入れるのに30分以上かかった。

思えばその点滴を入れた昨夜から、おしっこをしていなかった・・・

a0140955_1912216.jpg



留守番はクレートでさせている。
今朝、6時半に母が、7時に私が仕事に出た。
私は道満に荷物をとりに行き、夕方4時過ぎに戻ったら、クレートの中にみーながいるので驚いた。
母が自室から声をかけた。
11時半に母が帰宅した時には、亡くなっていたという。
私が家を出る時には、クレートの中でもぞもぞしていて、目を合わせたのだけれど・・・。

もしかしたらとおむつをはずした。

a0140955_19143384.jpg



小型犬用サイズのおむつのこの尿量が300ccあるはずもない。
ほとんど色のついていない、薄い色の。

腎不全末期の乏尿。
姫の時もこうだったっけ・・・・。

みーなは保健所ではない場所で、ひとり旅立っていった。
昨夜の点滴の時はずっと母の膝にいて、夜、クレートで寝るまでずっと母と一緒にいた。
それがせめてもの救いかもしれない。

保護した直後のみーなの顔と、亡くなる前の顔を比べてみてほしい。
a0140955_1918192.jpga0140955_19184554.jpg


本当に体調の悪そうな悲惨な様子からは、少しは穏やかになっているけれど・・・
でも、最後までやっぱり、さびしそうな顔をしていたように思う。

慢性腎不全は治らない。
手厚い医療を施して、時間を引き延ばすしかない。
その引き延ばされた時間の中で、温かく幸せな思いを与えること、それがみーなのような子に対して、わたしたちができるただひとつのレスキューだったと思う。

昨夜、みーなの預かりさんから「家族に迎えて最後を看取ってあげたいと希望している」と申し出があった。
預かりさんはご自身に持病があり、その飼育環境は決して余裕のある状況ではないため、ふたつ返事でみーなをお譲りしますとは言えなかった。
それでも、うちに来て、まるでストライキでもするように何も食べなくなったみーなにとって、預かりさんの家の方が安心なのかなとも思い、譲渡の検討を始めたところだった。


a0140955_19534839.jpg



先ほど、お世話になっている動物病院へ、献体のために預けてきました。
みーなの医療費は寄付やフリマなど、みなさまからのご支援で賄われました。
本当にありがとうございます。
ご支援いただいたお気持ちを無駄にしないよう、獣医療の発展や若い獣医さんの勉強のために、ひいては今もこれからも苦しむわんこたちの役に立てるようにと願っています。


みーなは姫と同じく、合同のお葬儀で空に帰ります。

a0140955_2002836.jpg


ありがとうございました。
[PR]

by naomi_nmi | 2012-11-02 19:20 | その日まで  

姫が遺したもの

シェルティ・レスキューが看取った子は、ゆら、被災のウィリー(トッド)、マリに続いて、姫が4頭め。

マリの時は、DIC(播種性血管内凝固症候群)での死亡が推定されていたのだけれど、遺体は病院から戻ってきたので、正確な死因はわからなかった。
死因は、そう、わかっても・・・マリが戻ってくるわけじゃないけれど、手を尽くそうにも尽くし切れなかった無念は、私たちだけじゃなくて獣医師の先生たちにもあったと思う。
DICは予後不良に陥ることの多い病態で、医師(獣医師)の経験や予測で防げることもあるという記事を読んだりもした。

いったん話は飛ぶけれど、この10年くらい、動物愛護精神の拡大があったり、獣医師を志す層の変化があったりで、獣医学科の解剖実験の数が減っているという話を、以前から聞いていた。
学校によってなのか、解剖を拒否することもできる?といったような話さえ聞いたことがあった。

そして、シェルティ・レスキューで保護した颯太(そうた)は、骨折の治癒が長引いてしまい、他の犬の骨を移植してある。保存骨といい、大学病院内で保存されていた、実験動物だったビーグルの骨だ。

さらに、私の18才半の愛犬は、今までに出血性大腸炎や3回の腫瘍切除や抗がん剤治療を行ってきた。

獣医学の発展がなければ、尊い命の犠牲がなければ、あり得なかったことの数々。
動物愛護精神の高まりによる実技・実験数の減少で、発展の機会が減ってしまったり、若い獣医師の成長の足を引っ張ることになってしまったら。

2月にマリが逝って4か月、折に触れて考えていたこと。
亡くなった子を、献体に出すこと。
サリーがお世話になっている動物病院に、相談していた。
一般の動物病院でも、若い先生にはなかなか執刀の機会が回ってこないらしい。
それは大学在学時の経験が昔に比べて少ないことや、飼い主さんの要望でどうしても経験豊富な獣医師に執刀を求められがちであること、亡くなった子を献体に出そうとする飼い主さんがそもそもあまりいないことを伺っていた。
そして、献体をしていただけるのであれば、ありがたいと言って下さっていた。

ならば・・・
救えなかった子の土台の上に、救える子が増えるのであれば。
そのために力になれるのであれば。
この時期は3月に卒業して、獣医師国家試験を受けたばかりの先生がいる病院もある。
姫の体がまだ温かいうちに、相談していた動物病院に電話をし、早速連れて行くことになった。

受け渡しの時に、おなじみの先生に
「命を無駄にせず他の子のために役に立つよう、大切に扱います。ご遺体の扱いや返却についてご希望はありますか」と言われた。
特に希望はありませんが、はっきりした死因がわからないので、目立つことが見つかれば教えていただければ十分です。それと、あとでかまわないので、お葬儀の日がわかればお願いします。お参りに行きますので…葬儀は合同で構いません。そのように答えた。

昨夜遅くに電話があり、今日の葬儀と教わった。
紫陽花に雨・・・

a0140955_22114270.jpg



午前中に合同で焼いて、今日一日は本堂に安置し、数回のお経をあげることになっていた。
本堂まで行ったものの、カメラは遠慮させていただいた。
合同ということで、大きな骨壺が金色の仏様の前に安置されていたのが見えた。
姫はあの中に、他の犬猫と一緒にいるのだろうと思った。
もにょもにょもにょと、遠くからひとり話しかけた。


a0140955_22293897.jpg




生前の姫は、子犬を生んでは彼女の所有者であったブリーダーに金を遺した。
ペットショップから彼女の産んだ子犬を買った見知らぬ人たちに、ひと時の幸福を遺した。
子犬たちが最後まで幸福だったかは、わからないけど・・・

長崎でレスキュー要請があった時、一番若い1頭は親族が引き取ったと聞いた。
残った3頭は高齢の子ばかり。
その中でさらに選ぶことなど、できただろうか。
姫は一番年齢が高いと思われた子だった。
私たちは彼女もレスキューすることにした。
そのために、後味の悪い思いをしないで済んだのだから、助けられたのは私たちだった。

姫は生前、たくさんのものを人間に与えてきた。
この上、死んでまで献体という形で、その体を人間に与えることについて、ためらわなかったわけではない。
迷ったが、姫の体を生かし切って、これから無駄になる命がひとつでも減ってくれればという願いの方が強かった。
姫のためにかかった医療費も、ご支援下さっている方たちからのお金だから、姫の体がいつかめぐりめぐって、誰かの愛犬の役に立てばと考えてみたりもした。

1月から5月まで、一番状態の悪い姫を預かり、家庭犬として恵まれた環境に置いてくれた預かりボランティアさんには、本当にお世話になりっぱなしでした。
その身を削って、人間に対して与えるばかりだった姫に、短い間でも幸福を与えてくれた、唯一の存在が預かりボランティアMさんとそのご家族だった。

腎臓も肝臓も悪かった姫が亡くなった時、脱糞はあったけど、尿は数滴しか出なかった。
歩けない状態、吠えまくる様子、そして無尿。
私の家に来た時には、もう相当程度、尿毒症が進行していたのだろう。
肝性脳症だったのか、尿毒症による脳障害なのか、すっかり頭の中が壊れてしまった姫にとって最後の幸福な記憶は、我が家にいた3日間ではなく、Mさんの家で過ごした日々だろうと思う。

Mさんの存在がなければ、私たち人間は姫になにひとつ与えずに、ただ奪い取るだけだっただろう。
感謝してもし切れない。

Mさん、ご家族さま、姫を幸せにして下さって、本当にありがとうございました。

a0140955_22502130.jpg

[PR]

by naomi_nmi | 2012-06-09 22:53 | その日まで  

旅立ちの日

昨日の朝。
早朝にヒィヒィ言い出して、母が寝床を変えてやり、安心してまた寝たものの、9時ごろにまたヒィヒィ始まった。

母の出勤前のひとこま。
a0140955_13132694.jpg



吠えまくる姫を心配したサリーが話しかけた。
前日もこんな場面があったと母が話していた。

おとといの夜までは、寝ているときは落ち着いていたが、起きると呼吸が荒かった。
昨日の朝は寝ていても呼吸が早く、これは病院へと思ったものの、午前中に時間が取れない。
ご近所で以前お世話になった獣医さんに、昼からの往診をお願いした。
その時は、呼吸が早いことは、興奮のせいかと思い、鎮静の相談が主だった。

動物病院へ電話しているときは、まさに吠えまくり真っ最中だったので、先生もその治療を頭に置いて来て下さった。
検査の結果などは先に電話で報告してあったが、体温を測った段階で先生が驚いた。
41.5℃、犬でも高熱だ。
痴呆や鎮静の処置だけでは足りない。
先生の自宅はうちからさほど遠くないので、奥さんに薬を持ってきてもらって追加の処置をしたかった様子で、少しの間、考え込んでいた。
こんな日に限って奥さんもおでかけしていたので、落ち着かせるための薬を注射して、早めに抗生物質を取りに来るように言われ、先生は帰られた。

一度部屋に戻り、安心して眠り始めた様子を見て、母と姫と、寝ているサリーを置いて買い物に行った。
帰りがけに動物病院へ行き、薬をもらって帰り、家のことをしたり食事をしたりして、ぐっすり眠っている姫をなにげなく見た。


a0140955_13144987.jpg



安心して寝ているように見えて、やれやれと思ったけれど、なにかおかしい。
さっきまでスヤスヤと体が大きく上下していたのに。

動いていない。

a0140955_13153116.jpg



亡くなっているの?

口の中をめくってみる。
真っ白・・・青いくらい。

呼吸を感じない。
脈が触れない。

a0140955_13542970.jpg



こんな顔をしていたから、死んでいるとはとても思えなくて、
そのまま1時間近く、あちこち触ったり撫ぜていた。
反応は全くないけれど、体はどこも温かく、固くもなっていない。
瞳孔が開いているのか・・・白くなった瞳からはわからない。

母を呼び、見てもらったら、やはり呼吸をしているようには見えないという。
涙を流す母の様子を見て、私も我に返った。

先生が考え込んでいたのは、抗生物質の前に鎮静を打つことだったと思う。
私は駐車場から部屋まで先生を案内する時に、ここまでのいきさつと最近までの姫の状態をお話してあった。
積極的な安楽死は考えていないけれど、安静のための措置で亡くなることについては、それで良いと考えていること。
治療は不可能だと思うので、苦しみを伸ばすだけの延命は望まないということ。
先に抗生物質の注射を打っていたとしても、姫の体はもう、次の鎮静など多くの薬剤を受け入れなかっただろう。
早いか遅いかだったなら、早く苦しみから解放してあげられたことを良しと思った。

そして、本当に寝ているようにしか見えない姫の顔が、苦しみから解放された穏やかな表情に思えたので・・・私は彼女から許されたのだと思ったし思いたかった。


あなたを利用した亡き繁殖者を、あなたを救えなかった私を、許してくれてありがとう。



ありがとう。


a0140955_13322593.jpg



もう一度、犬に生まれ変わるなら、日本に生まれてこないように、犬の神様にお願いしてね。
[PR]

by naomi_nmi | 2012-06-07 13:39 | その日まで  

2日目の朝

ところで私には18才を半年以上越えた、同じシェルティがいる。
心臓が非常に悪く、右腕に大きな腫瘍があるため、小走りになることもできないが、歩くことはできる。立ち上がれないので、介添えが必要になる。
興奮すると心臓に悪いので、動物病院から非常用に抗不安剤をもらっている。
いくつかの鎮静ハーブと抗不安剤で、私の愛犬はめったに発作を起こすこともなく、人がそばにいさえすれば、不自由なく生活ができる。


姫が歩き回ろうとするとき、動く方の両前足は、若い犬のような早く力強い動きをする。
しかし下半身は追いついていない。
それだけじゃなくて、バランス感覚がおかしくなっているのか、寝ていてもだんだん体が傾いてくる。

a0140955_9241540.jpg



寝かす時は体をクッションや布ではさんで、頭を下に向けてあげるのだけど、しばらくするとこの通り。

この格好でヒィヒィと叫んでいる。

今日は母が6時くらいから、床に寝ていて変な格好になっていた姫をバスケットに移してあげた。
すると安心したようで8時半頃までは落ち着いて寝ていたが、9時過ぎくらいから上のような感じでそっくり返ってきて、目覚めてヒィヒィ叫んでいる。

母が姫に話しかけて撫ぜてやると、落ち着くことがある。
まったく反応せず叫び続けていることもあるが、落ち着くこともあるということは、姫はうちの母に少し心を開いてきているのかな?とも思ったりしている。
姫が母に甘えるようになったら良い。
そして幸福の中で、送り出してやれたら良い。


昨日の夕方、母親の買い物に付き合う時、家を出がけに母が言った。
「まったくうちは老犬ばっかり」

ひとり1頭だから今が満員御礼だよ。
[PR]

by naomi_nmi | 2012-06-06 09:31 | その日まで  

吠え続ける姿

昼間投稿したばかりなのに、また投稿するのは、あれから目覚めてからずっと吠え続けているから。

午後になって目覚めて、食事をした姫は、自分で歩き回ろうとして、歩けなかった。
そして転んで、起き上がりたくて吠えた。
起き上がらせるとまた歩き回ろうとして、転んで、起き上がりたくて吠えた。

これでは困るので、バスケットの中に落ち着かせると、出ようとして動く前足だけで立ち上がった。
そして後ろ足を絡ませ引きずりながらバスケットから出て、歩き回ろうとして、転んで・・・

あれから5時間以上は優に過ぎていて、いまこの記事を書いている時も吠え続けている。
ヒィヒィヒィ、ワンワン、ヒィヒィヒィ、ワン、ワン・・・繰り返している。
30分も鳴くと5分くらい休んで、でもすぐに吠え始める。
鎮静剤は与えてある。効かない。量を増やせばどういうことになるか。
おそらく、目覚めない・・・

歩きたいという姫の願いはもう叶えることができない。
寝ているとき以外、姫の心の安定はないように思う。
眠らせようとするのは、目覚めないリスクを伴う。
そんなレベルまで来ている。

a0140955_20522938.jpg


写真に映っている母の手、語りながら撫ぜてあげているけれど、彼女の耳に、そして心には届かない。
昨夜、というか朝の3時からしばらく鳴きっぱなしだったので、母が起きて、姫を板の間の涼しい場所に動かしてやったら、眠ったという。
それから眠り続け、目覚めてからは吠え続けている。
[PR]

by naomi_nmi | 2012-06-05 20:57 | その日まで  

この子は募集しません

2012年1月。
長崎で亡くなった元繁殖者が遺した3頭のシェルティのうち、1頭を看取ることになりました。

しばらく佐賀で預かっていただいたのですが、状態が思わしくなく、こちらで引き取ることにしました。

羽田で受け取って病院へ運んだら、思っていた以上に状態が悪く驚きました。
この状態では、預かりさんには今まで本当に、ご苦労とご迷惑をおかけしたと思います。

この記録は、看取りの記録です。
正直あまり良いものではありませんが、看取る子にも費用も手もかけたことを、ご支援くださった皆様にご説明しないといけません。


仮名:姫 推定年齢15歳以上 
   重度の腎不全あり、心雑音あり

すでに譲渡できる状態ではありません。

「何もしない」という選択をして、日々を穏やかに過ごすことを第一優先とします。

a0140955_13225275.jpg


今は母の部屋で、ベランダからの風を受けて寝ています。


a0140955_13275029.jpg


彼女が旅立つその日までの記録です。



シェルティ・レスキュー
http://www.help-sheltie.net
[PR]

by naomi_nmi | 2012-06-05 13:28 | その日まで